復興が進む地域への移住と住まい探しの体験談

福島県楢葉町に移住して7年。
1人暮らし30代男性の住まい遍歴と自分に合った住まいを見つけるコツをご紹介。
福島県の太平洋沿岸にある浜通り、特に東日本大震災による原子力発電所事故の影響を受けた被災12市町村では、この数年、移住者の受け入れを積極的に進めています。
ゼロからの新たなチャレンジが次々と生まれる魅力的な地域ですが、その中でも課題になりやすいのが住まい探しです。
被災12市町村のエリアでは、まだ住宅の整備が進んでいないところもあるため、移住を希望しても、なかなか希望の住宅を見つけることができず、移住を断念される方もいると筆者も聞いています。
では、どのように住まいを探すことができたのか、その体験談をお伝えします。
同僚に助けてもらった移住1年目
楢葉町に移住が決まったのは2018年1月ごろ。
就職先が決まってから、そこから住宅探しが始まりました。
まずはインターネットで賃貸のワンルームを探しました。会社からも住宅補助が出るとのことだったので、収入のバランスを鑑みて5万円以下で探しました。
しかし、避難指示が解除されて2年と少ししか経っていない楢葉町では、まだ個人用のアパートも少なく、あっても6万円以上の物件ばかりでした。
その当時住んでいた大阪でもワンルーム6万円はかなり高い印象があり、住宅探しは難航しました。
今では、不動産仲介サイトをみると町内の家賃が少しずつ下がってきている印象がありますが、その当時、楢葉町は震災後の復旧工事真っ最中で、工事関係者がまとめて借り上げることも多く、金額は比較的高めな状況でした。
公営住宅もありましたが、問い合わせしたところ全戸埋まっている状態とのこと。
町内に頼れる知り合いもなく、電車で通勤できるJR常磐線沿線で隣町を超えていわき市久之浜などの物件を探したりしていましたが、就職先にも報告したところ、1件の連絡が。
前年に楢葉町に移住していた同い年の同僚が気を回してくれて、同僚が住んでいた賃貸住宅を譲ると申し出てくれたのです。
最初は悪いと思い、断ろうとしていたのですが、「堺くん(筆者)にはせっかく移住してくれたので楢葉町に住んでほしい、次に移住してくる人に同じように優しくしてあげてほしい。」と言ってくれました。
その一言で同僚に甘えて、住宅を貸していただけることになりました。家賃も5万円以下で、2LDKと一人暮らしに十分な広さでした。
会社を退職し、シェアハウスに入った2年目~4年目
その後、紆余曲折あり、自己都合で会社を辞めることになり、また、借りていた住宅も出なければならなくなったため、再度住まい探しが始まりました。
そのころ、移住してから知り合った移住者の先輩が、家賃高騰問題の対策として、町民の方から空いている一軒家を借受け、サブリースとして、他の移住者に貸し出すシェアハウス事業を行っていました。
ちょうど、筆者が住まい探しを行っているタイミングで入居者が全員出ることになったとのことで、運良く入らせていただけることになりました。
今では、若い移住者何人かで集まってシェアハウスとして一軒家を借りるという事例が、いくつかあります。
適切な一軒家の物件を見つけるのは少し難易度が高いのですが、まずは移住してから知り合った方などに相談ができるようになると、借りることも不可能ではないと思います。
シェアハウスの家賃は光熱費、管理費込で4万円弱と、その前の住宅より費用も安くなりました。家も綺麗だったので暮らしやすいところもありましたが、同居する住民とルールを設け、生活基準を合わせたりする必要もあり大変な部分もありました。
シェアハウスも解散、お世話になっている町民の方にお願いし、大家さんと半同居状態で一軒家を借りる5年目~現在
数年後、シェアハウスは大家さん家族の都合でお返しすることになり、また家を探す必要がでてきました。
一番に頼ったのは、移住する前からずっとお世話になり、楢葉町に移住したいきっかけとなった方々が住んでいる地域の行政区長(町内会長)さんでした。
ありがたいことにすぐに連絡をいただき、本居が別の市町村にあって、毎日畑作業のために通われている方のお宅の、3分の2ほどを貸していただけることになりました。
この地区は移住のきっかけになった場所でもあり、ずっと暮らしたいと思っていたため、当分この地区から離れることは無いと思っています。
地区の皆さんには本当にかわいがっていただき、こども会や地区の活動にも参加し、今では楽しく暮らすことができています。
家賃は3万円+光熱費とかなり安く貸していただけることになり、住宅も大家さんがしっかり管理していただいているので暮らしやすく、総合的に幸福度が一番高いと感じています。
移住者が住まいを見つけるコツは
希望の物件を借りるためには運も必要なのですが、まずは移住してからしっかりと町の人たちに自分から関わって馴染んでいくことで、そのタイミングに合った住まいを見つけていくことができるのではと思います。
これから移住を検討されている方々は、先に移住している移住者に話を聞いてもらうのが早いかもしれません。
自分も先輩移住者にお世話になっていて、地域に関わっている移住者は誰かにお世話になって住まいを見つけているケースが多いので、あまり反故にしない人が多いと思います。
先輩移住者と関わりをつくるためには、各町村の移住窓口で問い合わせてみるのがおすすめです。
筆者自身はあまり深く考えず移住を決めた(移住したとも思っていなく、近隣に引っ越しするくらいの気持ちだった)のですが、とはいえ都心部などから地方に移住することはハードルが高く、決断するのもなかなか難しいと思います。
そのため、あまり焦らず、長い気持ちで継続的に広い視野で定期的に地域に通っていただき、楽しみながら友達を作り、自分にあった仕事や住まい、地域を見つけてもらえるのがいいのではと思います。
筆者紹介
福島県双葉郡楢葉町在住 堺
1992年大阪府生まれ。2011年3月に発生した東日本大震災のあとすぐに関西大学社会安全学部に入学し防災を学ぶ。ゼミの活動としてフィールドワークを行う中で楢葉町を訪れたことをきっかけに、2018年4月に楢葉町に移住。
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